やわらかい盆提灯の灯りに導かれ
故人が初めて遺族のもとに戻ってくる。
「初盆」には、仏前を華やかに飾って迎えてあげたい。
故人が寂しくないように。
気持ちよく家族とのときを過ごせるように。
そのために知っておきたい事がたくさん!!
「仏前にはどんな物を供えればいいの?」
「提灯はいくつ用意すれば?」
特にお盆に使う提灯については
私も無知でした!
初盆には親族や知人が訪れます。
「非常識!!」なんて
思われるのは避けたいものです。
だから、あなたも
私と一緒に「脱常識知らず」しましょうね!!
この記事では、初盆に準備するお供えの種類、
盆提灯(ぼんちょうちん)の選び方や飾り方
についてご紹介します!
初盆のおさらい
初盆(はつぼん・ういぼん)とは、
故人が亡くなってから初めてのお盆です。
四十九日がまだの場合は、翌年が初盆になります。
お盆の時期は場所によって異なりますが、
7月13日~16日か
8月の13日~16日
に行う地域がほとんどです。
この日は仏前に
お花や提灯、お線香、果物やお菓子などを準備して
故人の霊を迎え、僧侶をよんでお経をあげてもらうんです。
これは「法要」と呼ばれる【追善供養】で、
遺族が故人をしのび冥福を祈るため
に行われるんですね。
「法要」には身内だけでなく、
故人の知人も多く招かれます。
仏前を華やかに飾って、故人を盛大に迎え
みんなで故人を偲ぶ時間をもちたいですよね。
初盆の盆棚には何を飾ればいい?
盆棚は、精霊棚(しょうりょうだな)とも呼ばれます。
宗派や地域によって飾り方の違いがあるようですが、
先祖の霊をお迎えするためにつくられる棚
という意味では基本的に同じだそうです。
一般的に、盆棚の故人の位牌には
「香・灯燭(とうそく)・花・浄水・飲食(おんじき)」の
「五供(ごく)」が供えられます。
漢字でイメージできると思いますが、
五供やその他のお供え物については
関連記事をご覧ください!
「初盆のお供えを準備する時期は?お供えの送り方や渡すタイミングは!?」
ここでは、別記事に書けなかった
【お供え豆知識】を見てみましょう!!
まずは、昔ながらの精霊棚の作り方。
【盆棚の上に真菰(まこも)のゴザを敷き、
四隅に葉のついた笹竹を立て、
竹の上の方にしめ縄を張って結界を作り、
縄にホオズキか素麺を吊るす】
だそうです!
実は私、実物を見たことないです、、。
なぜ、ホオズキと素麺かと言うと、
ホオズキは【盆提灯に似ているから】、
素麺は【先祖が浄土に戻るときに
荷物を背負うヒモ代わり】だそうです。
何を持って帰るのか、気になりますね。
素麺に関しては、
「喜びが細く長く続きますように」という
縁起担ぎでもあるようですよ。
続いては、よく見かけるキュウリ&ナスです。
あれの正体は、
精霊馬(しょうりょううま)と呼ばれる霊の乗り物で、
故人はこれに乗ってあの世とこの世を
行ったり来たりすると考えられています。
キュウリで作った馬でこの世に駆けつけ、
ナスで作った牛でゆっくりあの世に戻る訳です。
ちなみに、精霊馬は食べてはいけません!!
盆明けの後に、半紙で精霊馬を包んで、
塩をふって、家の外でワラと一緒に焚き上げるそうです。
提灯は、霊が迷わずに家にたどり着けるように
軒先や精霊棚に、目印として飾ります。
また、
「先祖に敬意を払い、自分が生まれてきた事を感謝する」
ことを象徴する、お盆で最上の供物だそうです。
さいごに【お供え膳】について。
お盆中は、仏壇に
故人の好きだった食べ物を供えます。
遺族はお盆の期間、できるだけ
仏壇に供えたものと同じものを食べます。
注意する点は、「故人と家族が一緒に食べる」ので
箸やおわんの向きは対面に置き、食事がすんだら
お供え膳もさげます。
お供え膳は、「一汁三菜」か「一汁五菜」です。
ご飯と汁物のほかに、3つか5つのおかずを用意します。
お盆の料理は、
基本「精進料理(しょうじんりょうり)」ですよね。
精進料理の献立は、
五色(赤・緑・黄色・白・黒)
五味(甘味・塩味・酸味・辛味・苦味)
五法(煮る、焼く、蒸す、揚げる、生もしくは切る)
これを全部考えて作るって、、
かなり大変そうですね!?
気をつけなければならないのは、
浄土真宗では基本的に精霊棚は使いません。
供物はお供えするようですが、
お盆の準備は宗派によってかなり変わるので
事前に確認することが必要です。
なお、お供え物を出す時期、片付ける時期については
「初盆のお供えを準備する時期は?お供えの送り方や渡すタイミングは!?」
を読んでくださいね!!
初盆の提灯の選び方は?
お盆に使う提灯は、
盆提灯(ぼんちょうちん)と呼ばれます。
初盆に使われるのは「白提灯」です。
白だけの濃淡で絵柄が入ったものもあります。
ピンクや紫の華やかな絵柄の入ったものは、
翌年以降に使います。
たとえ初盆でも、
小さな子どもが亡くなった時には
子供が好きだったキャラクターが描かれた提灯が
飾られることもあるそうです。
盆提灯は親族が準備するのが習わしで、
特に初盆で使う白い提灯は、
今でも近親者から贈られる地域もあるようです。
ですが、昨今の住宅事情を考えると、
提灯を飾るスペースがある家が少なくなっているので、
不祝儀袋に「御提灯代(おちょうちんだい)」と記して
現金を渡すケースも増えてきました。
仏壇用の提灯はよく2つセットで売られていますが、
初盆の時は白提灯を1つ使います。
ちなみに提灯の数え方は「対(つい)」だそうです。
知らなかった!
盆提灯は1対や2対で飾るのが一般的と言われますが、
その数でないといけないという決まりはないようです。
大事なのは「供養する気持ち」ですもんね。
お供えの提灯には2つのタイプがあります。
- 置くタイプ
- 吊り下げるタイプ
置くタイプは、
- 「大内行灯(おおうちあんどん)」
木製の脚に絹を使った火袋の提灯 - 「回転行灯(かいてんあんどん)」
灯すと美しい絵柄の火袋が回転する提灯
が代表的です。
吊るすタイプは、
- 「住吉提灯(すみよしあんどん)」
福岡県博多の住吉町で始まった円筒形の提灯 - 「御所提灯(ごしょあんどん)」
岐阜県産の美濃和紙を使った壺型の提灯
置くタイプは飾りやすいのですが、
吊り下げタイプの方がコンパクトなものが多いです。
盆提灯セットの相場金額は、
安いもので5千円から、
立派なものだと5万円くらいします。
ミニサイズだと3千円代からあるようです。
どちらにせよ、供養の気持ちと大きさが
比例するわけではありませんから、
用途に合わせて選ぶのがいいですね!
初盆用はこの年しか使いません。
ですから、燃やさずにしまう場合は
家の収納場所を考えて購入しましょう。
お店で箱に入っている状態を見てから購入すれば
収納サイズが分かりますね。
家のスペースを考えて選ぶのがいいでしょう。
初盆の提灯の飾り方
白提灯は1つあれば十分です。
玄関や門柱に見えるように飾るのが正式ですが、
最近は、場所や防犯などの関係で
縁側や軒先・ベランダなどに飾ることもあります。
玄関に飾る時、盆提灯に
「家紋」と「名前」が前後に書いてある場合は
名前を表にして飾りましょう。
地方によっては
13日の日中にお墓まで霊を迎えに行くときに
お墓で提灯に火を灯します。
自宅まで提灯の火を消さないように
霊を案内するんですって!
そしてその提灯で盆棚のロウソクを灯します。
お墓まで迎えに行かない場合は、家の外で
松の割り木や麻柄(おがら)を焚いて
故人の霊を迎えます。
その時に盆提灯に火を入れるそうです。
麻柄、、その存在知りませんでした!!
もともと「迎え火」は
外で焚く火だったのですが、
近年では難しくなったので
盆提灯で代用することが多くなったようですね。
霊が家に帰ってきている間は
灯明を絶やさないようにしましょうね!!
提灯の片付け方とタイミングは?
お盆の最終日の夕方、送り火を焚いて
故人の霊をお送りします。
盆提灯も盆明けの15日(または16日)に
灯を消します。
初盆で使った白提灯は、
その時に一緒に燃やします。
もしくは先祖代々のお墓を守る
菩提寺(ぼだいじ)に納めます。
お寺での処分は、お包みが必要だったり
期間が決まっていたりするので、
法要のお願いをする時に、ついでに
白提灯の供養の仕方を確認しておくと
いいかもしれませんね!
「迎え火」や「送り火」には、
あの世とこの世をつなぐ
到着点と出発点になると共に、
「先祖の冥福を祈り、感謝の気持ちを込めて供養する」
という意味もあるんです。
ちなみに京都の「五山の送り火」
通称「大文字焼き」も、その文字には
各家で供養した先祖が「無事あの世に戻れますように」
という願いが込められているんですって!!
まとめ
1.初盆とは故人が亡くなってから初めてのお盆。
時期は7月か8月の中旬。
2. お供え物は「線香・ろうそく・盆花・水・食べ物」と提燈。
地方・宗派によっては他にも。
3. 初盆で使うのは白提灯。
値段や大きさは様々なので、用途に合わせて購入する。
4. 白提灯は玄関先や縁側などに飾る。
灯りを入れるのは盆入りの夕方。
5.初盆で使った提灯は盆明けの時に送り火と一緒に燃やすか、
菩提寺で処分してもらう。
なんで初盆に提灯を吊るすのか
まったく知りませんでした!
でも、、
きっと知らなかった人の方が多いはずです!!
知らなかったアナタ、
今日覚えたことを自慢できますね!!
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